喘息/長引く咳の治療
喘息の初期症状
次の症状が1つでも当てはまる場合、喘息の初期症状かもしれません。
咳
- 夜間や早朝などの決まった時間に咳が出やすい
- 時期によって、運動をしたとき、特定の場所で咳が出る
- 風邪後に咳が長引く、咳や痰だけ残っている
のどの違和感
- 喉が痒い
- 喉に違和感がある
痰
- 透明、白、薄黄色の痰
- 痰が切れない
※特に近年では、通常の風邪やコロナウイルス感染をきっかけとして、成人になってから喘息を発症する方が増えています。
長引く咳を放置すると
初期の「咳喘息」を放置すると、気管支に慢性的な炎症が起き、「気管支喘息」を発症することが多いです。気管支とは、気管から肺に入る木の枝のような部分で、以下の画像をご覧ください。気管支に慢性的な炎症が起きると、喘鳴と呼ばれる「ゼーゼー、ヒューヒュー」とした息遣いになります。この状態になると、初期よりも治療が長期化し、咳の症状も悪化することが多いため、早期の診断と治療が重要です。
喘息と他の重大な病気の区別
上記の長引く咳などの症状は喘息の可能性がありますが、肺癌や肺結核などの重大な病気が原因のこともあります。症状は同じでも原因によって治療法は異なります。なので実際に喘息と診断するには様々なステップを踏み、症状や検査結果を読み解く専門的な知識が必要になります。当院では、血液検査・レントゲン・呼吸機能検査・FeNO検査などを組み合わせて医師が適切に診断・治療を行います。また、検査結果を一元管理するシステムを導入しており、結果の経時的変化を捉えることで病気の見逃しを防ぎます。
呼吸器症状が現れた際の、喘息を含む代表的な病気については、呼吸器系の病気まとめページをご覧ください。
喘息とアレルギー
成人の喘息の約70%はアレルギー疾患が原因で、その他の要因として風邪やストレスがあります。何かのアレルギーや花粉症などを伴っている方も多く、それらへの対応も重要です。
当院では「View(ビュー)39」や「遅延型フードアレルギー検査」などの、血液検査で皆さまのアレルギー状況を確認することができる体制を整えており、ご自身の体に合わないものについて調べたことがない方は、一度検査をすることをお勧めします。
また、喘息の方の中には、一般の解熱鎮痛薬によって発作が出てしまう方もいらっしゃいます。特に20~40歳代の女性で、風邪や頭痛などで解熱鎮痛薬を使い、咳が止まらなくなったという経験がある方は、喘息についての一連の検査を当院で行いましょう。
治療について
喘息の治療では、気管支の炎症を抑えて、発作が起きない状態にすることが大切です。適切な治療を受けずに喘息発作(咳)を繰り返してしまうと、炎症の反復によって気道の粘膜が徐々に厚くなり、さらに発作が起きやすい気管支になることが知られています。そのため、日頃から気道の炎症を抑える治療を行い、喘息をコントロールすることが重要です。
喘息の治療には、吸入薬を中心に飲み薬を組み合わせて行います。すべての咳症状に効く万能な薬は存在しないため、喘息の種類や進行度に応じて適切な薬を選び、期間を設定して治療します。治療内容の個人差は他の病気よりも一層重要です。
喘息治療薬は大きく2つに分かれます
「長期管理薬」
主に吸入薬を指しますが、吸入薬の種類は非常に豊富なため、発作頻度・発作の強さ・呼吸機能検査などを参考に最も適切な吸入薬を処方します。長期管理薬で最も大切で、皆さまに忘れないでいただきたいことは、「吸入を中断しない」ことです。吸入薬を適切に使用していれば、全く通常の生活ができることも多く、「喘息が治った」と感じて吸入薬をやめてしまう方・中断してしまう方が非常に多いというのが現状です。この場合、ほとんどの確率でいずれぶり返すタイミングが来てしまいます。したがって、ぜんそくと上手く付き合っていくためには皆さまの協力が極めて重要なので、診察時にもその旨お伝えさせて頂くようにしています。
「発作治療薬」
こちらも、吸入薬が中心ですが、飲み薬も使用することがしばしばあります。長期管理薬を適切に使用していても、季節の変わり目や風邪を引いた時に、発作が出てしまうことがあります。軽度の発作であれば、自宅で発作治療薬としての吸入薬を使用することで改善することもありますが、なかなか良くならない場合やご心配な場合は、発作時用の治療薬を処方することができますので、お早めにご相談ください。
「喘息自己注射薬」
最後に、さまざまな治療を適切に組み合わせても、ぜんそく症状が目標とするほど治まらなかったり、発作を頻繁に起こしたりと、お悩みの方もいらっしゃると思います。当院では、事前検査を踏むことで特殊な「喘息自己注射薬」を取り扱うことができます。
長期間の喘息治療や長引く咳でお困りの方のご相談も受け付けております。
また咳の原因が喘息ではなく肺癌などの重大な病気であった場合も密に連携している総合病院へのスムーズなご紹介が可能です。詳細に関しては「ご挨拶」のページ下部をご覧ください。
ご予約
当院では患者様のお待ち時間を少しでも少なく、診療をより丁寧にという思いから、
完全予約制とさせていただいております。
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