アレルギーの病気
私たちの体には、外から異物が侵入した時に、抗体という物質を作って異物と戦う「免疫」という機能があります。たとえばワクチン接種には、病原体の一部や弱らせた病原体を体に注射して、特定の病原体への抗体を作って免疫を高めるという目的があります。
アレルギー性疾患とは、異物に対する体の反応が病的に強く起こってしまう、または本来は異物ではない物質を異物と判断してしまい、好ましくない反応を引き起こしてしまう病気(これを特に膠原病と言います)を指します。
アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー性疾患は遺伝の要因が大きいことがわかっています。また生活環境の変化や、特定の物質に長期間曝露されているという環境要因も影響しています。
アレルギーというと、食物アレルギーや花粉症、じんま疹などが最初に思い浮かぶかと思います。これらはⅠ型アレルギーまたは即時型アレルギーと呼び、食べてすぐ/花粉を吸ってすぐという、アレルギーの原因物質「アレルゲン」に接触して20分以内に症状が出るものを指します。
アレルギーのタイプには、このⅠ型の他にもⅡ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ型アレルギーまで存在することがわかっています。大まかに原因物質に曝露して症状が出るまでの時間や、アレルギー反応に関わる体内の物質の違いなどによってグループ分けされています。
Ⅰ型アレルギー
アレルゲンとして特に多いものをお示しします
- 花粉(特にスギ、ヒノキ)
- 食べ物や飲み薬
- ダニ/ハウスダスト
その他にもアレルゲンは多数ありますので、一括検査をご希望の方は「アレルギー検査」のページをご参照ください
Ⅰ型アレルギー疾患がある方は、免疫反応が特に異常に起こった結果、息苦しさ・強い腹痛などが出ることがあり、アナフィラキシー反応という危険な状態になる場合があります。
特に、ある食物アレルギーがあり間違えてまたは気づかずに、その成分が入った食事をした方で起きることが多いです。アナフィラキシーは緊急の治療が必要になり、当院ではアナフィラキシーの治療を行うことができます。また、皆さまの中にはエピペンという、緊急時の自己注射薬をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。当院ではエピペン注射の処方も可能ですので、ご相談ください。なお、処方には数日のお時間が必要になることがありますので、処方をご希望の方はお早めにご連絡ください。
Ⅱ~Ⅴ型アレルギー
Ⅰ型アレルギーが外から取り込む異物への過剰反応であるのに対して、これらのタイプのアレルギーは、主に膠原病(自己免疫疾患)という、本来は異物ではない体内の臓器を体が異物と判断し、慢性的な炎症が起きてしまうものです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスの他、多くの病気があります。膠原病は確定診断が困難なことも多く、特に診断後には専門治療が必要です。当院では、血液検査などを通して、きわめて多様な症状が出やすい膠原病の診断を行い、専門病院と連携して、早期に治療に当たることができるような体制を整えています。
Ⅰ型アレルギーの治療
アレルギーの治療というと、ほとんどの場合はⅠ型アレルギーの治療を指します。どの物質に対するアレルギーかによって異なりますが、最も基本となる治療は原因物質の回避と除去ですが、特につらい症状への対応も可能ですし、スギ花粉やダニについては根本治療も行うことができます。
Ⅰ型アレルギー疾患として多い、ぜんそく・花粉症・じんま疹・アナフィラキシー・食物アレルギーについては、まず必要な検査を行い、生活環境などもお伺いしたうえで、適切な対応をいたします。ご心配な方も遠慮なく当院にご相談ください。
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