ノイロトロピン・ヒスタグロビンとは
ノイロトロピン注射
ノイロトロピンはウサギの皮膚から抽出したエキスを薬剤にした、抗炎症物質です。もともとは肩や首の痛みを和らげるために使われており、今でも筋骨格系の痛みに有効ですが、花粉症などのアレルギー性疾患にも有効であることがわかり、頻繁に使用されるようになっています。
ノイロトロピンは、痛みを抑える神経の働きを改善することで肩や首の痛みを和らげるとともに、鼻の粘膜にある鼻水や鼻づまりを起こす物質を減らすことで花粉症の症状を改善する働きがあります。
花粉症において、花粉が飛散するとヒスタミンやロイコトリンといった炎症を引き起こす物質が体内で増えます。これらの物質が鼻の粘膜に集まって留まることで、鼻水やくしゃみなどの症状が出てきます。ノイロトロピン注射によって、ヒスタミンやロイコトリエンが鼻の粘膜に集まることができなくなるため、効果を発揮します。
使用方法
通常は週1回、計6回程度使用するのがおすすめです。症状や効果に個人差がありますので、一人ひとりに合わせた頻度、回数を決めることができます。
費用
ノイロトロピン注射は保険対象の治療です。
・3割負担でノイロトロピンのみの注射の方
初診 約1000円
再診 約500円
・3割負担で、ヒスタグロビン注射と併用の方
初診 約1300円
再診 約800円
ヒスタグロビン注射
ヒスタグロビンとは、ヒスタミンと免疫グロブリンを合わせた注射薬です。少量のヒスタミンが加えてあることで、免疫グロブリン(抗体のことです)は、花粉症などアレルギー性疾患の方の体内で大量に出ているヒスタミンというアレルギー物質を速やかに認識して抗体をさらに作り出し症状を大きく改善することに役立ちます。
このヒスタグロビン療法は非特異的減感作療法と呼ばれ、特定のアレルギー物質に対して治療を行う特異的減感作療法(主に舌下免疫療法のことを指します)とは異なり、花粉症だけでなくアレルギー疾患全般を体質から改善することも期待できます。
当院で最も多い使用方法は、花粉症に対する定期的な注射ですが、ハウスダストや動物などに複数のアレルギー物質がある方では、ヒスタグロビン注射によりそれらのアレルギー反応も一緒に抑えることができます。また、ステロイド注射とは違い副作用が極めて少ないことも大きな特徴です。
ヒスタグロビン注射の対象となる方
飲み薬、目薬、点鼻薬などを使用していても花粉症の症状がつらい、中等度以上の症状の方がヒスタグロビン注射の主な対象になります。花粉症のシーズンになってから注射をしても遅くはありませんが、シーズンの約1か月前から注射を始めますと、より有効です。ヒスタグロビン注射は、「週に1回・計3回」を基本とし、皆さまの症状の改善具合に応じて注射頻度や注射回数を調整します。注意点として妊娠中の方はヒスタグロビン療法を受けることができません。
使用方法
通常1回1.5mlを、週1回で計3回、予防接種と同じように腕に皮下注射します。これを1クールとします。
1クールのみで症状が大きく改善する方も多いですが、もう少し強く症状を抑えたいという方は、週2回の注射や、注射を2クール行うという対応も可能です。1回の注射で効果が十分認められた方も、効果持続期間を長くするために1クール(計3回の注射)が終了するまでは治療を推奨します。また、次にご説明するノイロトロピン注射と同時に注射することで相乗効果が期待できます。
費用
ヒスタグロビン注射は保険対象の治療です。
・3割負担でヒスタグロビンのみの注射の方
初診 約1200円
再診 約700円
・3割負担で、ノイロトロピン注射と併用の方
初診 約1300円
再診 約800円
毎年花粉症の時期になると、飲み薬・目薬・点鼻薬を頻繁に使わなければならず生活にお困りの方は、ぜひ一度ヒスタグロビン注射、ノイロトロピン注射をご検討ください。花粉症の症状を改善し、普段使用するお薬の量も大きく減らすことで、快適なシーズンを送ることができます。そして、ヒスタグロビンヒス注射とノイロトロピン注射は同時接種することで、さらなる効果が期待できますので、併用治療をお勧めします。
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