禁煙外来
喫煙は、健康に対して様々な悪影響を及ぼすことが広く知られていますが、喫煙習慣の本質とも言われているニコチン依存症により、禁煙をお一人で達成することは困難だという現状もあります。
そこで私たち医療関係者が、禁煙に関するサポートや指導を提供することで、禁煙の意思を固めた皆さまと一緒に目標達成を目指します。
禁煙のメリットは数多くあります。肺がんや心臓病、脳卒中のリスクが低下するだけでなく、ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患（COPD）などの呼吸器疾患の症状の改善が期待できます。また禁煙により、血圧や血中コレステロール値などの生活習慣病も改善することがわかっています。
保険適応について
当院では禁煙外来を保険で受けることが可能ですが、以下の条件を満たす必要があります。
- 直ちに禁煙する意思があること
- 事前の問診テスト（TDS）でニコチン依存症（TDS≧ 5点）と診断できること
- 禁煙治療に文書で同意すること
- 1年以内に禁煙外来の保険診療を受けていないこと
これに加えて、35歳以上の方は「1日の喫煙本数×喫煙年数」≧200という条件もあります（例えば、１日20本を15年間喫煙している方は、20×15＝300となります。この数値は、ブリンクマン指数と呼びます）。
つまり、35歳未満の方は禁煙の意思のあるニコチン依存症の方は、喫煙本数・年数に関わらず禁煙をする機会があることになります。これは禁煙が早ければ早いほど有効であることの現れでもありますので、少しでも気になる方はご相談ください。
なお、上記に該当しない方も、自費診療であれば禁煙治療を行うことはできます。
TDSチェックシート
TDSを以下に示しますので、ご自身でチェックしてみてください。
下記の質問を読んであてはまる項目にチェックを入れてください。該当しない項目は「いいえ」とお答え下さい。
禁煙補助薬と治療スケジュール
禁煙補助薬
（2023年4月現在 チャンピックス®は出荷停止となっており、ニコチンパッチのみ使用可能となっています。2023年度中には出荷再開の可能性があります。）
禁煙補助薬ニコチンパッチ（ニコチネルTTS®）を使用することで、禁煙に伴うイライラなどのニコチン離脱症状を抑えることができます。下記のような特徴・注意点があります。
出典：アルフレッサファーマ株式会社
◎ニコチンパッチ（ニコチネルTTS®）
- ニコチンを含む貼り薬です。１日１回起床後に交換してください。毎日同じ場所に貼ると、かぶれやすくなりますので、腕・おなか・背中などに変えながら使用してください。寝る前に貼ってしまうと、ニコチンの血中濃度が夜間に高まって不眠になる可能性があります
- 禁煙の成功率が約2倍に高まります
- 食欲抑制効果により、体重増加も抑えられることがあります
- ニコチンパッチを貼り付けているにも関わらず喫煙してしまうと、ニコチン過量となり、不整脈などの副作用が起こる可能性がありますので、治療開始とともに喫煙を終了しましょう
治療スケジュール
初診を含めて、計5回受診していただきます。
ニコチンパッチは8週間使用し、残りの4週間はニコチンパッチなしで禁煙を継続します。ニコチンパッチに含まれるニコチンの量は徐々に少なくなります。
禁煙成功のためには
禁煙は簡単なことではありませんが、成功するための方法はいくつかあります。以下に、いくつかの有益なアプローチをご紹介します。
- 禁煙の意志を固める: 成功するためには、強い意志が不可欠です。禁煙の理由を明確にし、それを念頭に置いて取り組むことが大切です。
- 医療スタッフと相談する: 医師や看護師に禁煙について相談し、適切なサポートや治療法を受けることが有益です。
- 禁煙補助薬を利用する: ニコチン補充療法などが禁煙の成功率を高めることが研究で示されています。
- ストレス対処法を学ぶ: 喫煙はストレス緩和の方法として利用されることがよくあります。禁煙中にストレスが増加することを防ぐため、新しいストレス対処法（深呼吸、瞑想、運動など）を学ぶことが役立ちます。
- 環境を整える: 喫煙に誘われる環境や状況を避けることが重要です。喫煙具を家や職場から排除し、タバコの匂いが残らないように清掃を行ってください。
- 小さな成功を祝う: 禁煙の過程で、節目ごとに自分を褒めたり、ご褒美を与えたりすることで、自分に自信を持ち続けることができます。
禁煙は、挑戦的なプロセスですが、健康や寿命に対するメリットは計り知れません。私たち医療スタッフとして、患者様が禁煙に成功することを全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください。
web予約の際は連絡事項欄に「禁煙外来希望」と記載していただけますとスムーズにご案内可能です。
お電話でのご予約お問い合わせも受け付けております。