メニュー

呼吸機能検査機器「スパイロメーター」とは

スパイロメーターは、呼吸機能検査に使用される医療機器で、皆さまの肺機能や呼吸能力を測定するために使用されます(一般的には、肺活量検査として知られています)。この検査は、肺年齢を測定するとともに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・ぜんそく・間質性肺炎などの呼吸器疾患の診断や治療効果の判定に役立ちます。

検査手順

  1. 普段通りの姿勢で椅子に座ります
  2. 検査用のマウスピースを口にくわえて、通常の呼吸と深呼吸を行います(結果1)
  3. 通常の呼吸と深呼吸の後、思い切り最後まで強く息を吐きます(結果2)
  4. これを2-3回繰り返します

出典:日本呼吸器学会

結果1では、小さい山は通常の呼吸です。息を吸うと上に向かい、吐くと下に向かいます。最後の大きな山は、最大まで吸い込み、最後まで吐き切ることで見られる波形です。この時の一番上と一番下の差を肺活量(単位L:リットル)と呼びます。

結果2では、波形が変わって見えますが、結果1と同じように通常の呼吸をした後に最大まで吸い込みます。その後結果1の場合と異なり、ゆっくりではなく一気に息を最後まで吐きます(これが結果2の右下がりの線で表されています:青矢印)

 

スパイロメーターを用いた呼吸機能検査で測定する指標
一秒率 (FEV1)

最大まで息を吸った後、1秒間で一気に吐き出すことができる空気の量です(結果2からわかる数値です)。この値が低い場合、気管支が狭くなった結果、息が吐きづらいタイプの異常と考えられ、「閉塞性換気障害」と呼びます。ぜんそくやCOPD(肺気腫)がこれに該当します。

肺活量 (FVC)

最大まで息を吸った後、ゆっくり最後まで吐き出した時の、吐いた空気の総量です。肺活量は、肺の容量や柔らかさを評価するために使用します。この値が低い場合は、肺が固い結果、息を吸いづらいタイプの異常と考えられ「拘束性換気障害」と呼びます。間質性肺炎(肺線維症)という、慢性的な肺の炎症がこれに該当します。

なお、一秒率と肺活量のいずれも低下している場合は、「混合性換気障害」と呼び、呼吸器疾患が重症である場合が多いので、さらに慎重な定期診察が重要になります。

下の図は、結果2の波形を簡易的に表示したものです。波形によって予想される病気をある程度推測することができます。

 


当院では、この一秒率と肺活量という2つの数値を中心に、より複雑な他の指標も組み合わせることで、どの呼吸器疾患に最も近い波形かを確認することができます。

スパイロメーターを用いた呼吸機能検査は、無痛で比較的短時間で行われます。ただし、最大まで息を吸い、最大まで吐き切ることが適切な結果を得るために重要なので、同じ検査を2-3回したり、これ以上吐くことができない所まで「もう少し息を吐いてください」というお願いをすることがありますので、ご了承ください。

以上のように呼吸機能検査は、呼吸器疾患の診断や治療効果の評価に重要な役割を果たします。また、職業性の肺疾患(塗装業や建築業など)や喫煙による影響の評価にも用いられます。スパイロメーターによる呼吸機能検査は、皆さまの症状やリスクを正確に評価し、適切な治療を提供するために不可欠な手段です。

呼吸機能検査が推奨される方

呼吸器疾患の症状がある方

息切れ、咳、喘鳴(呼吸をするときに、ヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がすること)、息苦しさなどの症状がある場合。

呼吸器疾患のリスクがある方

喫煙歴がある方や、ご家族に呼吸器疾患がある方

職業性肺疾患の可能性がある方

有害物質や粉塵に曝露される職場環境にいる方や、職業性の肺疾患が疑われる症状がある方

既に呼吸器疾患の治療を受けている方

COPD、ぜんそく、間質性肺炎などは、病状の経過観察や治療効果の判定のために呼吸機能検査の比較がとても大切です

高齢者や一般健康診断を受ける方

加齢に伴う肺機能の低下や、健康状態の変化を評価する目的で受ける場合

当院でのスパイロメーター検査

当院では、呼吸機能検査機器「スパイロメーター」を使用して、患者様の肺機能や呼吸能力を測定し、COPD、ぜんそく、間質性肺炎を中心とした呼吸器疾患の診断や評価を行っています。

検査後すぐに診察室で結果を確認することができ、経験豊富な医師が検査結果を詳細に説明し、適切な治療とその後の検査スケジュールをお伝えします。

当院では、患者様一人ひとりに寄り添い、適切な検査と治療を提供することをお約束いたします。お気軽にご相談・ご予約ください。

 

お電話でのご予約お問い合わせも受け付けております。

電話 03-5738-8660

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME