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肺炎

初期段階の肺炎は、症状が風邪と似ているため、見分けがつきにくいことがあります。どちらも咳や軽い発熱、倦怠感などの症状を引き起こします。肺炎は、通常の風邪と異なり、炎症が気道だけでなく肺にまで及ぶことが特徴です。風邪は一般的に肺の手前まで(鼻や喉など)に限定されることが多いです。

重症化すると、肺炎は以下のようなより深刻な症状を引き起こすことがあります。

  1. 高熱: 持続的な高熱が続くことがあります。

  2. 激しい咳: 痰が増え、黄色や緑色の痰、時には血痰が見られることがあります。

  3. 呼吸困難: 息切れがひどくなり、呼吸が浅く速くなることがあります。

  4. 胸痛: 呼吸や咳をするたびに胸に鋭い痛みを感じることがあります。

  5. 全身の倦怠感と脱力感: 強い疲労感や脱力感があり、日常の活動が困難になることがあります。

これらの重症化した症状が現れた場合、直ちに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが必要です。肺炎は適切な治療を受けないと、敗血症や呼吸不全などの命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。

肺炎の種類

 

肺炎は大きく2種類に分かれます。

  • 市中肺炎 ❘ 普段は健康な方で、風邪症状をきっかけに炎症が肺にまで及んでしまう
  • 誤嚥性肺炎 ❘ 持病がある方やご高齢の方で、飲み込む力が弱くなってしまい唾液や食べ物が気管に流れ込んで肺に炎症を起こす

ここでは、外来診療でしばしば見つかる「市中肺炎」についてご説明します。市中肺炎の原因として多い病原体は、ウイルスと細菌に分かれます。

市中肺炎

ウイルスによる肺炎

これは多くの場合、インフルエンザコロナが該当します。ウイルスによる肺炎は抗生物質の効果が乏しいことがほとんどなので、早急な診断と治療が必要です。

状況によっては入院治療が必要になることも多く、患者様の肺を含む体の状態を的確に診断するために、聴診やレントゲンが重要になります。ウイルスによる肺炎の疑いがある場合は、お若い方でも早急な対応が必要ですので、お早めにご来院ください。

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細菌による肺炎

肺炎球菌

肺炎球菌という菌は、肺炎の原因として最も多い細菌です。「球菌」と言うのは、顕微鏡で見た時に「球形」をしているためです。そして肺炎球菌による肺炎は特に重症化しやすいという特徴があります。一度は聞いたことがあるかもしれませんが、65歳の方で定期接種となっている「肺炎球菌ワクチン」は、まさにこの菌による肺炎を予防するためのものです。詳細は予防接種のページをご覧ください。

肺炎桿菌(クレブシエラ菌)

肺炎桿菌(クレブシエラ菌)も注意が必要な細菌です。「桿菌」の名前の由来は、顕微鏡で「さお状」に見えるところから来ています。40歳代以上の男性で多量に飲酒・喫煙をする方は発症の危険性が高く、肺炎球菌による肺炎と同じくらい重症の危険性が高いので、該当する方が高熱・咳・息苦しさが続く場合は検査が必要です。

細菌による肺炎も重症化しやすいため、発熱・咳・痰などの症状がある35歳以上の方は、早急に呼吸器内科での検査と診断が必要です。適切な診断と治療が早期の回復や悪化を防ぐことにに繋がりますので、症状が見られる場合は速やかに受診をお願いします。

さらに特殊な細菌による肺炎

さきほどの肺炎球菌や肺炎桿菌と同じように、細菌に分類されますが、治療方法が異なるため、特別な扱いを受ける肺炎があります。

レジオネラ菌による肺炎

この細菌は温泉で繁殖しやすく、旅館で働く方や旅行後の方で発熱・咳が止まらない方は注意が必要です。他の人に移してしまう危険性はほとんどありませんが、感染したご本人はさまざまな症状でとても辛いため、早期の治療が重要になります。

マイコプラズマ菌による肺炎

これまでご説明した肺炎は、何らかの持病を抱えている方に多いものでしたが、マイコプラズマ肺炎は健常な方が突然発症するという特徴があります。特に、幼稚園児~20歳代の方に多く見られます。重症化する危険性は高くありませんが、炎症の程度が非常に強いため、激しい発熱や、しつこい咳が続き、皮膚にポツポツが出る方もおり、早期に特殊な治療を開始しても2週間近く生活に支障が出てしまうことがあります。

クラミドフィラ菌による肺炎

聞きなれない名前ですが、別名は「オウム病」と言い、オウムだけでなく鳥類を飼ったり触ったりした方は発症の危険性があります。レジオネラ肺炎同様、他の人には移りませんが早急な治療は必要であることに変わりありません。


これらの特殊な細菌による肺炎は「非定型肺炎」と呼ばれており、使用する内服薬が通常の肺炎と異なる一方で、通常の肺炎との区別が難しい事も多いです。

当院ではこれらを早く見抜くために問診も重視しています。皆さまも「最近旅行した、ペットショップに行った」など典型的な場面に心当たりがありましたら、ぜひお伝えください。

当院の治療方針

当院では呼吸器内科として肺炎の治療にも特化しており、肺炎の診断と治療において以下の3つの方針を重視しています。

  1. 早期診断と適切な治療
    発熱や咳などの症状が見られた場合は、迅速な診断と治療を行い、重症化を防ぎます。必要に応じてレントゲンや血液検査を実施し、正確な診断を行います。

  2. 原因の特定
    ウイルス性肺炎や細菌性肺炎の区別を明確にし、それぞれのウイルスや細菌に適した治療を選択します。

  3. 予防の徹底
    特に高齢者や持病を抱える方には、肺炎の発症リスクを低減させる予防接種をお勧めします。誤嚥性肺炎のリスクがある方には、飲み込み方や食事の工夫についてアドバイスします。

もちろん、咳、息苦しさ、発熱などがある方全てが肺炎であるわけではなく、呼吸器に症状が出る病気の種類(詳細はこちら)は非常に多くあります。そのため、問診・診察・検査などから患者様の症状の原因を特定し、最適な治療法を提供し、いち早く日常の生活に戻れるように努めます。

お電話でのご予約お問い合わせも受け付けております。

電話 03-5738-8660

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